【Walking to Double Falls】


2015二ノ滝

【日 程】2015年02月22日(日)
【山 域】鳥海山
【山 名】二ノ滝(500m)
【天 候】曇
【メンバ】2人
【コース】胴腹の滝から往復
(概 略)


駐車場(8:34)---(10:40)二ノ滝(11:30)---(12:53)駐車場


季節は着実に春に向かっている。
先週の週末は山形市にいたのだが結構冷えていた。帰りの月山新道は時折地吹雪で視界が遮られ怖い思いもしたが、この週末はとても穏やかで土曜は終日鳥海がとてもきれいに見えた。しかし日曜の天気は下り坂の予報、曇りだが雨は夕方まで降らない予報なので二年ぶりに二ノ滝に向かうことにした。

まあこの陽気なので氷結は完全に諦め、雪上散歩のつもりで歩き始めた。先行車が一台、準備中が一台いて結構賑わいそうな感じ、遊佐町が行っている探勝会で雪上車が入ったのだろう、平らに踏み固められた道は舗装されたみたいだ。もちろん、かんじきなんていらないのだ。
林道周辺にうっそうと茂っていた杉林は伐採され、開けた景色に少し違和感をおぼえながら登っていくと、朝方曇っていた空は嘘みたいに晴れ上がってきた。純白に輝く笙ヶ岳に導かれるように徐々にピッチを上げると汗が噴き出してきた。いつもならきりりと冷たい風もこの日は妙に艶めかしい。


  
笙ヶ岳に導かれて    と    青空がとても綺麗だ


久しぶりの山歩きというか雪上歩きはやはり心がウキウキする。下界(ちょっとオーバーか?)では最近騒音が気になり出し、山に入りたくてウズウズしていたのだが、やっと実現できた喜びは素直に表情に出るらしい。まあそれだけ下界ではぶっきらぼうな表情をして生きていると言うことなのだろう。
それにしても久しぶりの山歩きは肥大化した身体には辛い。徐々に身体のあちこちが痛み始める。特に右足の付け根の裏側に違和感があり膝も痛い。この日はまだ雪上歩きのため夏道のような負担はないのだろうが、身体を少し作らないと、なんて思うのだが下山後の温泉に浸かる頃にはすっかり忘れているだろう。

松食い虫の被害が多いのかあちこちにビニールで覆われた枝が集積してある。雪が降らないから、おが屑が飛散しており折角の雪景色が台無しだ。それでも梢に遊ぶ小鳥の姿に癒されながら歩いていると一ノ滝神社の鳥居が見えてきた。
おお、下界では雪が少ないと言ってもここまで来ればなんの…
雪上車のトレースはここまでで一応かんじきを履いて出発する。雪が重いので踏み跡のない場所では結構辛い。いつものトラバース箇所は完全に舗装されている(笑)何年か前にラッセルしたのが嘘みたいだ。


  
雪中の一ノ滝神社鳥居     と     舗装されたトラバースルート


もうすぐ二ノ滝神社という場所で先行者とスライド、早いなあ…
もたもたしている間に後続にも追いつかれる。暫くかんじきなんて履いたことがなかったので、履き方を間違ったらしく歩きづらいことこの上ない。
神社に到着後そのまま滝を見に行く。

冒頭の写真を見ればわかるが、向かって右側の氷柱は既に崩落し勢いよく水が流れ落ちていた。しかし左側の氷柱は未だ健在で蒼い氷がきれいだ。期待なんて全然してなかったので素直に嬉しかった。
久々に歩いたからか空腹感が半端ないので、橋のたもとに陣取りすぐにカップ麺にお湯を注ぐ。待っているのも辛いのですぐにおにぎりを頬張る。う、美味い(笑)


  
やっと到着


食後のコーヒーを沸かしながら背後の青空とのコントラストを楽しんでいると後続が一人現れた。皆考えることは同じなんだな…
この場所に初めて来たのはいつだったろう。知り合いに誘われて無理矢理連れてこられたような記憶がある。確か五人くらいで来たような…
ちょうど同じ日に例の町主催の行事があって、あまりの人の多さにびっくりし、また興ざめした記憶が残っている。それから暫くは敬遠していたなぁ…

それから山スキーに填った時期が少しあり、その辺からまた来るようになった。単独行が多かったように思うが人と遇う事なんて希だった。
最近は名が知られて結構遠くからも来ているようだが、当時はまだピンと張り詰めた冷気を一人で心ゆくまで楽しめたのだが、人が来ると言うことはそれなりに趣味が多様化し冬を楽しむ人が増えたことなんだと思う。それはそれでまた良いことなのだろう。

荷物をまとめ帰りの準備が整ってからもう一度滝壺に向かう。多くの人が踏み固めた跡を辿ると美しい氷の造形が間近に見られる。
近くに寄ると時折ピキッと氷が軋む音が小さく響いた。多分融解が進んでいるのだろう。右側の氷柱の中にも近くで見ると水が流れ落ちているのがわかった。もうすぐこの景色も大きく変わる時期が近づいている気配が感じられる。


  
この角度ではまだ厳冬の雰囲気が…


帰りは折角かんじきを履いているので、ルートを大きく外してショートカットや遠回りをして深雪の感触を楽しむ。
冬の陽光が真上に来た頃には半分駆け足状態、駐車場が近づいていた。
久々の雪上遊びは、忘れかけていた感覚を呼び戻してくれたように思う。